10・「環境」 ……… 職場環境への満足度、ワーク・ライフ・バランス、給与への納得感(働きやすい職場環境か。必要と感じているか。)厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」においては、ワークエンゲージメントの向上に取り組む意義や効果的な取り組み等が紹介されています(図1、図2)。「エンゲージメント」には、代表的なものとして「ワークエンゲージメント」と「従業員エンゲージメント」の2種類があり、「ワークエンゲージメント」は、仕事にやりがい(誇り)を感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得ている状態を指し、個人と仕事との関係に着目している一方で、「従業員エンゲージメント」は企業などの所属組織への貢献意欲を指し、個人と組織との関係に着目しています。組織が目指す方向性を理解し、それが自身の目指す方向性と重なることで組織に貢献しようと思えることは、仕事そのものへの誇りと同様に大切であるとされています。また、エンゲージメントの向上によって、主に以下3つの効果が期待できるとされています。 組織に対する従業員からの信頼が高まる 従業員の能力が最大限に発揮される 従業員が健康に・活き活きと働き続けられるこれにより、従業員の定着、生産性の向上、職場の活性化などが期待できます。なお、エンゲージメント向上は、企業規模の大小を問わず重要な取組となっています。前出の「働き方・休み方改善ポータルサイト」では、「働きがいのある職場づくりのために~エンゲージメント向上に向けた効果的な実践方法の検討~」セミナーのリーフレットやアーカイブ動画等を閲覧できます。1例をご紹介いたしますと、例えばKDDI株式会社では、企業理念の冒頭に「全従業員の物心両面の幸福を追求」を掲げ、従業員の経済的安定と心の豊かさが、会社の成長と社会の発展への貢献に不可欠だと考えて、中期経営戦略では、「人財ファースト企業への変革」を重要課題の1つに位置付けて取組を進めてきました。一方で、若手を中心とした従業員の挑戦意欲の向上が課題となっており、また、「従業員エンゲージメント」は高いものの、「ワークエンゲージメント」が比較的低く、従業員が主体的に仕事に取り組む環境の整備が必要でした。そこで、同社では、「ワークエンゲージメント」と「従業員エンゲージメント」を合わせて「社員エンゲージメント」と呼んで取組を進め、社員エンゲージメント総合スコア向上を全社重点KPIに設定し、人事主導の全社施策に加えて、各職場主体の取組を支援するようにしました。「ワークエンゲージメント」は、個人が主体的に仕事に取り組んでいる状態を指し(職場・仕事が好き・楽しい)、身に応じてライフスタイルに合った働き方ができるか。働きに見合った給与・ボーナスが支払われている医療法人協会報 vol. 57号 図2 働きがいのある職場づくりのための支援ハンドブック(令和6年度)より図1 働きがいのある職場づくりのために(令和5年度)より3.働き方・休み方改善ポータルサイト4.エンゲージメント活用の先進企業による事例
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